1学年通信「相棒No.7」より
- 公開日
- 2025/05/01
- 更新日
- 2025/05/01
授業
外見は自分だけのものではない
『外見は自分だけのものではない。』長谷部誠著「心を整える」より
「「何だよ、その髪型は?」あるとき、服部康雄先生(元・藤枝東高校サッカー部監督)に久しぶりに再会したときに苦笑いを浮かべながら、こう声をかけられた。当時、僕は生涯最初の『ロン毛で茶パツ』だった。ちょうどその頃は浦和レッズでレギュラーに定着して、プロとしての手応えを得始めた時期だった。いま思い返せば週末に夜遊びをしていた時期と重なっている。特に茶パツへの憧れもなく、髪を染めたことに大した理由はなかった。心のどこかでカッコ良く見せようか、女性ファンに注目されたいとか、自信のなさをヘアスタイルでごまかそうとしていたのかもしれないが。当時はそういう自分の弱さや甘さに気づかず、プレーもうまくいっていたし、みんなで遊びに行くことも楽しかったので茶パツにすることにも何の疑問も抵抗もなかった。まわりの若手選手も、いろいろな髪型をしていたし、むしろ人に見られるプロなんだし、若いのだから髪の色で目立つのもありだ、という思いもあったくらいだ。ただ冒頭の一言で僕は我にかえった。服部先生が心底がっかりしているのが伝わってきた。高校時代、服部先生は常に清潔な身だしなみを生徒に求めていて、ヒゲがちょっとでも伸びていたり、髪の毛が耳にかかるだけでも嫌がっていた。それが教え子に久しぶりに会ったら、茶パツになっていたのだから、「高校時代の教えはなんだったんだ」と失望しないわけがない。僕は先生の願いや教えを踏みにじったようで、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。すぐに美容院に行った。長かった髪をばっさり切り落とし、色を黒に戻した。見た目は当然地味になった。けれどこの髪型が自分には合っていると思った。(後略)」
長文になりましたが、私はこの文章を読んだとき、長谷部選手が日本代表のキャプテンマークをつけたり、ドイツのチームでプレーを続けることが出来ている理由が分かったような気がしました。ただサッカーだけをやっていればいいということではないということです。このことは、サッカーだけでなく、その他の全てのことに通ずるものだと思います。『外見は自分だけのものではない。』とは、素晴らしい表現力です。
長谷部選手の場合は、高校時代の監督さんが外見を見てがっかりしたという話ですが、宝泉中学校での生活に置き換えてみると、自分自身の外見が、その学校の実力と見られます。ですから、みんなの頭髪や服装は宝泉中の姿を現しているのです。もうすでに始まっていますが、宝泉中生としての身なりも重要です。また、学校内だけでなく地域に出た時も宝泉地区の皆様は中学生のことを気にとめて見てくださっています。家庭、学校だけでなく地域全体で子どもを育てていこう、という地区なのだと思います。そうしたところでも宝泉中生としての誇り(プライド)をもち、高校生、社会人に向けて、しっかりした身だしなみをしていることが大切なことです。生徒心得もそのような意味を込めて、「みんなでしっかりした身だしなみをして、しっかりした生活を送りましょう。」という願いが込められています。ぜひ、このことも心に留めておいてください。1日1日、素晴らしい日になるように、みんなで意識し、協力して作り上げていきましょう!!
話は変わって、この前の学年集会で「何のために高原学校に行きますか?」という投げかけに15人もの人が、しっかりした意見を発表しました。どれも素晴らしい意見で、5月からこれを意識して各クラス、各学年で生活していくことを確認しました。ただ単に発表したということでなく実行し、実現するようにしましょう。その後の生徒総会に臨む姿勢も素晴らしかったです。他の学年の先生方からも「一年生、しっかりやっていて頑張っている」、「生徒総会の一年生の態度、立派だった。」と言っていただきました。そんな話を聞いて私は「わずか一ヶ月だけど、1つ1つの経験を積み重ねていくと成長するんだなぁ。」と思いました。生徒総会が終わった後、椅子を片付ける準備を学級委員さん16人が椅子の台車のところに行ってスムーズに片付けられるようにサポートしました。また、ステージの階段を1組の4人が自分から進んで片付けました。これもまた素晴らしいです。椅子を片付けた後、クラスごとの整列を学年全員で協力してできたもの成長です。何でもないと思うかもしれませんが、よく見ていくと入学した頃できなかったことが今はちゃんとできるようになっています。これからも自立し、自分で行動できるようになっていきましょう。
話しは戻りますが、素晴らしい行動に会わせて自分自身の身だしなみも意識していきましょう。行動と外見は関係するものです。生徒心得を説明した時の繰り返しになりますが、先輩たちは、「しっかりした宝泉中の生徒として、みんなで守っていこう」という想いで「生徒心得」を作り上げていきました。1年生はその作業に携わっていませんが、先輩たちの想いを受け止め、しっかりした生徒になっていってほしいと私は願っています。これからの頑張りに期待しています。
「高原学校に何のために行くのか?」話