9月14日 1年生の国語「大人になれなかった弟たちに‥」(1)
- 公開日
- 2020/09/14
- 更新日
- 2020/09/14
お知らせ
★1年C組の国語の授業の様子です。今日は、米倉斉加年(よねくらまさかね)さんの「大人になれなかった弟たちに‥」を読んでいました。
★この話は、もともと絵本として出版されたものですが、もう30年以上も教科書(光村図書出版)に採用されています。
【あらすじ】
◆太平洋戦争中の日本で、作者が国民学校の4年生のときに弟の「ヒロユキ」が生まれます。父は戦争に行き、家族は残された祖母と母と作者(僕)、そして、妹と「ヒロユキ」の5人。5人は毎晩、防空壕の中で窮屈な生活を送っています。
◆特に、食料が十分にない戦争中ですので、子どもたちを育てるために、母親は自分の食べる分も子どもたちに食べさせます。弟の「ヒロユキ」は母親のお乳が唯一の食べ物ですが、母親はお乳も出なくなり、ときどき配給されるミルクだけが「ヒロユキ」の大切な食べ物となります。そんな大切な大切な弟のミルクを、僕はかくれて何回も盗み飲みしてしまいます。
◆その後、さらに空襲がひどくなり、親戚を頼りに疎開しますが顔を見るなり断られます。やっとのことで見つけた疎開先では配給がなく、母親は自分の着物をすべて米や山羊の乳などに交換して生活をつなぎます。そんな中、やがて「ヒロユキ」は病気になり栄養失調で亡くなります。
★今日は、(1)「僕が、ヒロユキのミルクを盗み飲んだ理由を考える」というのが大きなめあてです。そして、(2)本文中に出てくる次のような表現(「‥‥」)に込められた「僕」の気持ちも考えます。
◇「それがヒロユキの大切な大切な食べ物でした‥‥。」
◇「ヒロユキの大切なミルクを盗み飲みしてしまいました。それも、何回も‥‥。」
◇「僕は弟がかわいくてしかたなかったのですが、‥‥それなのに飲んでしまいました。」
★生徒は(1)(2)について、学習プリントに自分の考えを記入しています(一番下の写真)。写真の生徒のプリントには、自身で書き込んだ「後悔」の青い文字が見えます。この生徒は、「‥‥」に、作者(僕)の「後悔」の気持ちが込められていると考えています。