妖怪・アマビエ 〜最後はあなたが頼りです
- 公開日
- 2020/05/29
- 更新日
- 2020/05/29
お知らせ
太田中学校の皆さんへ(第20回・とりあえず最終回)
★ついに20回目、休校中の私からの発信も最終回となりました。新年度が始まってわずか3日で休校となり約2か月、その間に国の緊急事態宣言が出され、ゴールデンウィークも「ステイホーム」となりました。「新しい生活様式」の例も示されました。そして、5月25日に全国の緊急事態宣言が解除された後は、「新たな日常をつくろう」という方針で、感染予防に十分に注意しながら少しずつお店や公共施設、会社勤務、学校などが再開されることになりました。
★確かに全国の感染者も少なくなってきていて、ある程度「収束」してきた感じはしますが、目に見えないウイルスは、私たちのすぐ近くに潜んでいるかもしれず、「終息」はしていません。依然として、いつ、どこで、だれが感染してもおかしくない状況であると思います。ですから、何度も繰り返し言いますが、絶対に気を緩めずに、お互いの感染を防止するために、やるべきことをしっかりと行っていきましょう。「恐る恐る」「そろり、そろり」「一歩、一歩」の再スタートです。
★これまで、このブログで様々な人物(時には大仏様や観音様も)を紹介してきました。最終回となる今回は、私たちを新型コロナウイルスの感染から守ってもらいたい、どんなものにでもすがりたいという気持ちで、「アマビエ」に登場願い、このブログを締めくくります。アマビエ様、どうか我々に力を貸してください。
★アマビエは、江戸時代の後期に作られた瓦版(かわらばん・庶民の関心の高いニュースを載せた印刷物。新聞)に書かれていたものだそうです。肥後の国(現在の熊本県)で、夜になると海が光るという現象がたびたび起こったため、土地の役人が行ってみると、海中からアマビエと名乗る怪物が姿を現し、江戸時代の疫病の流行を予言します。そして、「もし病気が流行した際には、私の姿を書き写して人々に見せるように」と言い残して姿を消したのだそうです。アマビエは、長い髪に鳥のようなくちばし、体にはうろこをもつ三本足の半人半魚の姿をしています。今回の新型コロナウイルスの感染の流行を受け、その沈静化を願い、今170年あまりの沈黙を破り、注目を浴びています。厚生労働省の感染予防啓発サイトのイラストとしても使われています。
★また、インターネットで調べてみると、アマビエのルーツは、猿のような頭に足が三本の「アマビコ(天彦、尼彦、天日子、海彦など)」という別の妖怪で、海中から現れて豊作や疫病を予言したこと、そして、病気が流行したらその姿を写した絵を人々に見せるように言って姿を消したことなどの共通点があるのだそうです(福井県文書館の長野栄俊さん)。同じような話と妖怪は、新潟県や静岡県などにも伝わっているようで、困ったときには妖怪の不思議な力を借りてでもその状況をなんとか克服したいという古くからの日本人の考え(信仰)が分かるエピソードです。
★このアマビエブームに便乗して、様々なアマビエグッズやお酒、お菓子なども販売されています。私は、博多人形の作家がアマビエ人形を作って売り出したというニュースを見て、早速、通信販売で注文しました。一か月待って、先日ようやく届きました。しばらくは学校の玄関にでも飾って、皆さんの健康と安全を見守ってもらおうと考えています。いずれ、このブログでも紹介いたします。
★以上で、ひとます私の休校期間中のブログの発信は終わりです。もし、私のブログを毎回読んで、少しでも元気が出た、感じることがあったという人がいたとしたら、とてもうれしいです。今日まで読んでいただき、ありがとうございました。
★いよいよ月曜日から学校が再開となります。新年度開始早々、「失われた2か月の時間」はあまりにも大きいものですが、感染に気を付けながら、前を向いて焦らずに学校生活を送っていきましょう。
太田中学校長 今井 東