ニュートンの「創造的休暇」
- 公開日
- 2020/04/27
- 更新日
- 2020/04/27
お知らせ
太田中学校の皆さんへ(第3回)
私から太田中の皆さんへの発信も3回目となりました。
今日は、「万有引力の法則」を発見したことで知られる、「ニュートン」について皆さんにお話しします。
ニュートンと言えば、リンゴが木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見したという話が有名です。しかし、ニュートンは、リンゴに働く重力を発見したのではなく、リンゴに対して働いている力が月や惑星に対しても働いているのではないかと考えた、というのが正しいのだそうです。
それはさておき、ニュートンがケンブリッジ大学の学生時代に、今、私たちが直面しているのと同じような大きな出来事が起こりました。イギリスのロンドンでペストが大流行し、彼の通うケンブリッジ大学が閉鎖(休校)となったのです。
そこで、ニュートンは、ペストに感染しないようにロンドンを離れ、1665年から1666年にかけての18か月、故郷のウールスソープという場所で、自由にいろいろなことを考えたのだそうです。現在、ニュートンの「三大業績」と言われている、「1.万有引力の法則」「2.微分積分学」「3.光学」のもとになる研究や実験もこの故郷での休暇中に行ったのだそうです(この時、ニュートンは、25歳だったそうです)。
そのため、ニュートンがペストを逃れて故郷で過ごしたこの約一年半の期間を、「ニュートンの創造的休暇(そうぞうてききゅうか)」と呼ぶのだそうです。
ペストの大流行という思いがけない出来事により、故郷で一年半という期間を過ごすことになったニュートンは、与えられた時間を有効に使い(ピンチをチャンスに変え)、後の大きな業績の基礎を築きました。
ペストを逃れて故郷で過ごしたニュートンの姿を、新型コロナウイルスの感染を避けて家にいる今の皆さんに重ね合わせてみるとよいと思います。皆さんも現在、予想もしていなかった新型コロナウイルスの大流行で、休校中となっています。この状況は、ニュートンと同じです。あとは、この休校期間を皆さんがどのように過ごすか、何をして過ごすかです。
この期間を無駄にせず、ニュートンのように有意義に過ごせるかどうかがポイントです。太田中学校から、将来のニュートンが現れることを期待しています。
私たち太田中の教師も、この休校期間を「創造的」に過ごしています。
太田中学校長 今井 東