心の栄養〜こんな本はいかがですか?
- 公開日
- 2020/04/24
- 更新日
- 2020/04/24
お知らせ
心の栄養〜こんな本はいかがですか?
太田中のみなさん、こんにちは。国語科の栗原です。「ステイ・ホーム」の中で、心の栄養を取っていますか。私は学生時代に学校に行くのが辛かった時期があり、母から勧められ、三浦綾子さんの『氷点』という小説を読みました。主人公の陽子の心の持ちように感銘を受け、その後、これまでの人生の中で幾度となく読み返してきました。私の人生の時どきで、心を揺さぶられ自分を見つめ返す、私にとっての人生の愛読書になりました。みなさんはこれからたくさんの本と出会うことでしょう。人生の中で何回も何回も繰り返し読んでしまう、そんな本に出会えたら素敵ですね。では、私からは何冊かの本を紹介したいと思います。
●『こころ彩る 徒然草 兼好さんとお茶をいっぷく』 木村耕一著(1万年堂出版)
『徒然草』はインテリのおじさま吉田兼好が鎌倉時代末期に書いた本です。その後、江戸時代に大ベストセラーになった本だそうです。2年生の古典の学習で扱います。兼好さんの言葉を木村耕一さんが分かりやすく、優しく語りかけるように書いてくれています。楽しく生きるヒントがもらえるかもしれません。
「存命の喜び、日々楽しまざらんや」(徒然草 第93段より)
今まさに、コロナと闘っている人たちに感謝し、生きていることに感謝し、「「生まれてきてよかった」「生きることは素晴らしい」と心から喜べる幸せを得ることに全力を尽くし…(後略)」(本文より)生きたいと切に思います。
●『12の贈り物 世界でたったひとりの大切なあなたへ』
シャーリーン・コスタンソ作 黒井健訳(ポプラ社)
人は生まれてきた時に、12の贈り物を授かるそうです。それは、「力、美しさ、勇気、信じる心、希望、喜び、才能、想像力、敬う心、知恵、愛、誠実」です。コスタンソの短い文章の中に、勇気がもらえる本です。中でも、5番目の贈り物について紹介します。
5番目の贈り物は「希望」。
晴れの日も、雨の日も、人生はすばらしい。
そう信じることのできる心が、あなたにはさずけられています。
暗い絶望の闇にとざされたときも、どんなときも、
心に希望という名の太陽をのぼらせれば、
世界はあらたにかがやきはじめるでしょう。
そして、コスタンソは、最高の贈り物として、「それはあなた自身」と結んでいます。
●『風が強く吹いている』三浦しをん著(新潮文庫)
お正月といえば、毎年恒例の箱根駅伝。1チーム10人の若者たちが人生をかけて箱根に挑み、いくつものドラマが生まれます。この小説は、その箱根駅伝にたった10人の個性的なメンバーで挑みます。彼らは長距離を走ること(生きること)に夢中で突き進んでいきます。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷(たすき)をつなぐことで、仲間とつながっていく、スピード感と爽快さが感じられるお話です。読み終えたとき、風を感じて、「速く」ではなく「強く」走れと、心に強く思えるでしょう。